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SINGA宝塚クリニック院長 林博文です。
これから、不定期ではありますが私の想うことをあげていきたいと思います。
本日は、「SINGA宝塚クリニック」の理念についてお伝えしたいと思います。
生物は本来「回復力」「治癒力」「復元力」を持ち合わせています。人間だけがいつのまにか、本来の自分の力を信じて治癒することを忘れかけています。
例えばがんを宣告された場合、現代医療のみで治療をするとなれば「抗がん剤」「手術」「放射線治療」があります。症状によりこれらの治療で快方に向かう場合ももちろんあります。
ただ、これらに頼りすぎて本来の身体のバランスを大きく崩すこともあります。
当クリニックは、本来人間に備わっている「回復力」「治癒力」「復元力」を出来るだけ最大限発揮出来るよう様々な角度からのアプローチを追求しています。
例え重い病気をもっていたとしても、まだ、機能して生きているわけだからその力を最大限発揮できるような環境作りをすることで十分盛り返すことができます。
経験として何人もそのような患者さんを見てきたから決して諦めない。だからといって、身体を追い詰めるようなアプローチをするのではなく、ひたすら身体の環境をよくするということを丁寧に追い求めて、人間の持っている力を信じて、最大限引っ張り上げるそういう観点で医療に取り組んでいます。
ではなぜ、私がこのような医療観になったのか
今から45年前、母をがんで亡くしました。
当時高校3年生だった私は、看病をしながら受験勉強をしていたため思うように勉強もできず看病も心底思いやって出来ていませんでした。
それでも、どうにか薬学部に行き製薬会社に就職して薬について研究しました。
ただ、ようやく就職して研究していても薬で人の命を助けることは出来ない。医療者としてどうにか苦しんでいる人の役に立ちたい。今の仕事ではそれを叶えることはきっと難しい。心に引っかかりがある日々を過ごしていましたが、やはり自分の心に嘘はつけない。そう思って、医者になる道を選びました
どんな医者になりたいか?そう考えたときに一番始めに浮かんでくるのはやはり、母の最後の姿でした。治療の為に抗がん剤を服用し、その副作用に苦しめられ辛そう。ただ、見ているしか出来なかった自分がもどかしかった。
緩和医療に精通した医師になる。そう決めました。
この時点で、もう普通の医者とは志が違っていたと思います。
研修医を経て臨床を積み、福岡の病院で緩和医療を学びました。
福岡での3年間は、○○○でした。
その後、大阪に戻り100年以上の歴史を持つ湯川胃腸病院での新規ホスピスの設立に加わり14年勤めました。
ホスピスというと、治療を諦め絶望的になる方がいらっしゃいますが決して諦めなくて良いことを数々体験しました。
このホスピスでの経験がSINGA宝塚クリニックの基盤になっていると言っても過言ではありません。
ホスピスで私はがんの患者さんの最後を3000名以上看てきました。
主治医の言われるまま抗がん剤をやり続け、もう抗がん剤さえ出来なくなって転院を勧められた方、放射線を線量一杯まで当て全身がひどい火傷のような状態になっている方、手術してがんは全部摘出したからもう大丈夫ですと太鼓判を押され、そのまま何もせず、2年後全身にがんが広がって末期状態で見つかった方など、皆さん三大治療と必死に戦って、やり尽くしたけども結局は効かなかったという方が最終的にホスピスへ辿り着く。
ここまで身体を打ちのめさなくても良かったのでないのか?という思わされることが何度もありました。
ただ、とことん打ちのめされている方でも身体をいたわるようなアプローチをすると回復する方もいました。
だったら、もっと早い段階で取り組めばもっと快適でいい時間を過ごせたのではないか?
抗がん剤が全て悪ではないが、抗がん剤の使い方がやっぱ少し偏りすぎているのではないのか?
手術が必要な方がもちろんおられるが、それだけで事足りてその後何も養生せず、結局数年後にはまた、同じ病気を繰り返す方の多いこと。
本来の病気を生みだした身体に対し何も取り組まず、術後はほったらかしにして同じ条件でいるから又同じ病気を繰り返している。
そこに気付いて、出来るだけ早いうちから病気の芽を摘み、身体の環境を整えるということをすればもっと良い時間が得られるのではないのか?いうのが私の発想です。
一般的に代替医療をしているドクターは、抗がん剤はダメ、悪だ、手術、放射線で焼き切るだけではダメと一切の三大療法を完全に拒否しますが、うまく利用することも手段だと思います。
あくまでも、やらなくて良いならやらないに越したことはないが、どうしてもそれをしなければならない状況なら致し方ない時もあります。
三大治療が絶対に全て悪という捉え方をしなくても良いのではないかと思います。
ここぞというときに抗がん剤を使い、危機的状況を乗り越えた後は、しっかりメンテナンスすればすごく良い状態を維持できる人もいるからです。
どんな状態の方であれ環境を整えてメンテナンスすることがとても大切です。